現職のこと、転職のことなんかを考え始めた。
先輩はどうして転職は考えないのですか?
先日、転職が決定した部下から言われた言葉。これを機に妙に考え込んでしまったのです。現職のこと、会社のイヤな部分、転職ということなど。
皆さんは、現在の仕事には満足してますか?同じことを自分自身に問うてみて、私は今の仕事満足してるんだろうか?そういう思考実験してみるのも、まあたまにはね。
本記事ではそんなこんなをツラツラ書いた記事です。良ければ読んでいってください。
現職のはなし
前提が必要ですね。私の現状を簡単に書きました。
仕事は、一般に言うシステムエンジニアです。xxxx情報システム(xxxxには大企業名) のような、ある大企業の100%子会社。そのグループ企業の社内システムをアウトソースされた専門部隊です。だから、ある巨大会社の専用の社内システムばかりを見ています。よくある構造ですね。
更に、日本型SIピラミッド雇用の上から2番目にいることになります。トップは親会社で、その一個下ですね。だから仕事は、ザツに言えば、上から受けて、下に流すという世界です。いや、雑過ぎるか。でもそうだよね。
下に流さなくて済むだけの、技量と時間と度胸があれば、かなり儲け(粗利)はいいです。ただそうするとスケールしません。下に流さず、一人で10人分の仕事をするより、100人雇って、100人の仕事をした方が褒めてもらえる世界です。しかし今、この世界観は「レガシー」と呼ばれる世界に通用したビジネスモデルとして、崩壊寸前にいます。
この辺りは、下記がわかりやすく、そちらに譲りましょう。めちゃおもしろくで、こちらのブログには戻ってこれないかも?
そんな世界にいて、私は「効率的に動くものを作りたい」という気持ちで、ずっと働いてきたので、「上から来たものを下に流す」という仕事のやり方には疑問はあります。
現状のサラリーマン生活でいいのかを考えるきっかけ
実は「なぜ転職しないのか」ってのは、考えたことがなかった。考える必要がなかったし、誰からも問われたことがなかった。「takaさんこそ、一番に転職してもおかしくない」と言われるまでは…
最近、転職ってどうなんだろう?って考えます。私は転職童貞なので転職のことはよくわかってません。
なお転職童貞という言葉は下記記事の言葉です。
「なぜ「転職童貞」が日本中に溢れているのか?【田端信太郎×北野唯我】 」
記事曰く、転職なんて「とにかくやれ」なのだそうで。。。しかし「童貞」というパワーワードが男性には刺さるんじゃないかな。「初めてはビビる」。そして「童貞を捨てるとなぜか強気」
さて、なぜ今まで転職を考えてこなかったのか。
第一感覚で転職しない理由を絞り出してみました。
- めんどくさい
- 今の職場は家からほどよく近いし
- 給料もそんなに悪いわけじゃない
- 転職のこと考える時間があれば他のことしたい
- とにかくめんどくさい
まあ、ざっとこんなものかな。はは、「めんどくさい」に尽きる。
ただ、やりたいことがたくさんあって、「転職のこと考える時間があるなら他のことやるよ」ってのも事実かなぁ。
なぜなら、転職活動はしなくて済むなら、その労力の分、時間を有効活用できます。
SIピラミッド構造って、結局「事務処理能力」が求められるんですが、他の人よりちょっとスクリプトキディーな技術があれば、数倍時間をつく出せる。やってるフリしてやりたいことやってばいい。自分なりにズルしてる部分はあるんです。
以上が 「takaさんこそ、一番に転職してもおかしくない」と言われるまで の思考回路です。
「転職してもおかしくない」と思われた理由は?
転職しそうに見えるの?そう思われた要因と思われるものを考えてみました。
- 現状組織の「悪い部分」を考えている
- 若手の苦しみに寄り添う努力・理解
- 上司に媚び売らず
- もっと力を発揮できる世界がありそうだと思われている
2つの「ほうち」主義、現状の「悪い部分」を考えてみる
組織の悪いところってあるよね。下々にいると見えることも絞られるけど。大体が上司の悪口として酒の肴で花咲かせる。サラリーマンのだいご味ですかね。
私はね、それでいいと思ってるんです。しかし、一応、昇進レースとして、順当なところにいる40歳にもなると、それなりの地位なわけじゃないですか。色々見える景色というものもあるわけ。
さて、そういうわけで、サラリーマンの醍醐味である愚痴を、「2つのほうち」という観点で書いてみました。良ければお読みください。
「法治」主義、横文字だと「ガバナンス」
「法治」主義。ガナバンスとも呼ばれる。企業は社員の使うシステムを無法地帯にしたくないのだ。特に基幹と呼ばれる経理に関連する領域では。
私はいわゆる社内SEとして、システム開発・運用・保守の部隊をやってます。レガシーと呼ばれる領域で、レガシー資産だらけなのです。興味ある人はこれを見てください。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
簡単に言えば、負の遺産であり、コストのかかるお荷物です。前向きに言えば、2025年の崖に備えて、企業が今最も投資して刷新を促すべき領域とも言えます。
さて、このレガシー領域の運用保守は、正常運用が当たり前、障害なんて起こしてはいけません。
何かを変える = 障害の原因になる = 何も変えないことが正義
そう、時には「セキュリティパッチを当てたら、(セキュリティ上NGの機能が)動かなくなった」とすれば、「セキュリティパッチを当てたやつアウト!!」となります。
障害がおきれば、上司報告と説明責任、そしてそのためのプレゼン作成。これが膨大な時間と労力、そして過度なストレスがかかる。たまに会社に来なくなる人が発生してますね。ストレスで。。。フフ、いや笑えないか。
そして続くは「放置」主義
次の「ほうち」は「放置」。チームも個人も「アサイン」して「放置」すると「勝手に育つ」理論です。すばらしくコストのかからない素晴らしい理論です。私は2000年頃入社しましたが少なくともここ20年はこれで回ってます。私が入社してからの歴史と私が把握できる過去情報を含めて、ほぼ間違いないです。
この理論は、現状の若手や、ムチャぶりされた中堅が「勝手にもがき・苦労し・成長し・活躍する」ことを狙っています。
しかし、活躍する前に巣立っていく(転職していく)ということが常態化し、会社組織を破綻寸前に陥れることが最近ようやく証明されてきました。うまくいくわけないんですよね。放置や・法治では。
しかし、幹部から見ると「根性がない」「転職考える余裕を与えている」「昔は100時間残業はあたりま・・・」と武勇伝に転換。「いやあ、さすが部長、今のシステムがあるのも部長のおかげなんですね」と持ち上げて「そうだよな。今どきの若いやつは・・・うんぬん」とか言いながら満足な気分にできた人が出世できる世界です。
この状況を作ってきたのが45歳~55歳のおじさんたち。本人たちは自覚ないんだよ。そして「トップのせい」にする。逆にすげーよ。
これでは若手に「残ってくれ」とは言えない
ちなみに、ここ最近で何人もやめていく人を見るわけですが、正直「引き止める」という気分になりません。むしろ、「そうだよねーやめるよねー」です。。。
私は、「法治」に対して「今どきは信用・信頼・コミュニケーションでしょ」と思ってる。「俺が責任はとるから制限・制約は取っ払ってくれ。会話で解決してくれ」とお願いしている。そして伸び伸びし始めるたあたりで、次の壁にぶち当たって多くの人は「転職」を考えます。次の壁とは「takaさん以外の人は許可してくれない」状況のようですね。。。私はすごくないよ。大体何か起きたら本人たち頑張ってくれるもの。
あと「放置」に対しては、チーム作りや勉強会やらモブワークやら、今までのうちの組織ではやってないことをかなり力を入れている。しかし、、、こういう活動は企業からすると「遊んでいる」ことと等価なんです。
どういうこと?となりそうですが、そういう仕組みなんです。人月商売の世界なので直接的に働いてなんぼ。「勉強会」などの間接的な努力なんて企業経理上は評価されません。将来への投資・育成を考えていないとまでは言いませんが、結局は年間予算がありきで、予算を達成するかどうかの世界観。予算にもっと盛り込めばいいんですけどね。そういう考え方は反映されにくいみたい。
SI企業のビジネスモデルのおかしな点
本来、システムサービスこそ「LTV:顧客生涯価値」の概念を取り入れて、長期的目線の企業努力で組織と技術力を育てるべきです。
しかし、xxx情報システム型の、システム開発・運用のアウトソースという形をとった日本企業は不幸です。下請けは技術努力の必要がないんです。営業努力の結果で仕事が落ちてきます。親会社の思考範囲の技術があれば受注できます。新しい技術である必要はないです。そして、親企業が調子悪ければトカゲのしっぽ切りされるだけです。それがアウトソーシング型の親側から見た最大のメリットですから。
しかし、このアウトソースの目先のメリットが、今、日本企業をがんじがらめにしています。システムには、組織の付加価値が詰まっている。しかし企業努力がなかったため、DX技術は育たずチーム力はない。「ならばアウトソースの最大の強み、他のアウトソースに乗り換えてしまえ」と思っても、システムに埋め込まれた付加価値の部分が捨てきれない。今までのやり方じゃコストが高くてダメだから新しくしたい、でも新しさについていける企業努力を怠ったので、新興企業に頼まざるを得ない。業務を回すためにはカスタマイズ・アドオンの嵐で、余計に足かせになる。
さらに、このカスタマイズ・アドオンの弊害という悪循環が一巡して、今は、カスタマイズ・アドオンがダメだと企業側も気付いた。だからこそ「世界標準に合わせろ」と言わんばかりのカスタマイズ・アドオンNG大会。
カスタマイズ・アドオン せざるを得なかった部分こそ、企業の持つ付加価値だったはずなのに・・・それがNGなのだ。
例えば、何百もの組み立て部品と組み立て工程の組み合わせを一元管理できていたシステムがあったとして、そんなシステムは当然、企業の業務ノウハウの詰まった特注モノのシステム。そんなの「世界標準」なんてあるわけない。悪く言えばガラパゴス。ガラパゴスでいいんです。それで日本は世界一の技術力を手に入れたのだから。
この付加価値の詰まったシステムを今どきのDXに対応したいとなれば、やはり、①付加価値の詰まった業務ノウハウと、②最新のDX技術 の両方が必要。
今、①と②両方持つ人材なんていないです。そんなスーパーマンがいれば苦労しません。①を持つ人は、②の人を雇ってお願いするわけだけど、①の人も②の人も、カスタマイズ・アドオンの苦しみを知ってしまった。ノンカスタマイズで済むシステムを探すがそれは存在しない。存在している範囲の②に頼るしかない。
よし、企業価値を捨てよう!(カスタマイズ・アドオンはやらないけど、DX化は断固推進だ。これが経営方針だ)となったら終わり。企業価値のない企業ってなんなんだよ?ってことです。
終わりの始まり・・・
SI企業の能力主義については?
能力主義って言いますけどね。組織の人々を能力はかるなんて可能なんですかね。でもそれでボーナス決めたりとかするわけです。これ、管理上だとどうなるかというとこうなる。
- 1人1人の明確に順番をつける(お前は100人中3番、など。同着はないから生々しさ満載だ)
- 割合を決めて、ランクをつける(トップ10にいるからSランクなど)
- Sランクは、ボーナス+10% などの差異をつける。
まあ、仕方ない。能力主義なんて、やってしまうとそうなる。この資料は当然、各社員には見せられない。私も自分の部門の範囲内しかしらない。経営層のクラスで、全体を把握している。
しかしちょっとした漏洩はある。前回の査定はどうだったかというのが見えてしまう部分があったことがあるのだ。常にではない。ちょっとした事務的ミスもあったのだろう。見えてしまったものは仕方がない。
そして、
- あれ、こいつにはもっといい評価与えてたのに、上から評価下げられてる
- 隣の部署のあの人、上からみるとこんなに評価いいのか。Sランクかよ。
なんてことが見えてくる。
これは見える立場の人によって、人間心理に影響あるよね。
社内カースト、しかも上の方でコソコソと行われる陰険なカースト制度を作り出す。
Sランクのあいつの提言なら聞いてやるよ。とか、Cランクのやつの提案ってちょっと危なくないか?といった差別的ともいえる人間心理はあるでしょ。見えないカーストが知らずのうちに形成されてしまう。
なお、転職していくやつは、大体Aランクのやつ。Sランクほど優遇されず、Cランクほど鈍くないやつ。そして、部門レベルだと当然Sレベルで、事業部レベルで薄まることでAランクに下がるようなやつだ。
Aランクは大体は損している。Sランクの雑務が落ちてきやすい。無駄に事務処理能力があるからそれなりにこなせてしまう。そして、昇進レースはSランクより2~3年遅い。でもコースから外れてはいないから、期待は持たせられる。
今のボーナス査定のある企業では、ある程度は仕方がないだろう。外資だともっと厳しいかもしれない。しかし、日本人のレッテル心理は強い。ちょっと評価が悪いと這い上がるのに時間がかかる世界なのだ。
権力ヒエラルキーがどうしても必要な規模の大企業だと、仕方がないことなのかもしれないけれど、有名ユーチューバーや、有名ブロガーの働き方が目立つ現在において、この企業ヒエラルキー構造が、現代っ子へのモチベーションにどんな影響があるのだろうか。
少なくとも、中堅ランクでの転職は、このあたりにかすっているケースがある。損をしているという事実と自覚。そして上司は助けてくれるわけでもない。うちの場合は「放置」主義の影響もある。
企業側よ、若手の苦しみに寄り添う努力・理解はあるか?
これは、たぶん仲間意識に近いもの?
転職を考える理由は人それぞれだろう。ただ、上記のとおり、様々な組織のヒズミがあって、多くの人は、大体上記のどれかにかすった理由でやめている。
耳に入る限り、給料や地位での理由という人はいません。
「結果を引き出す 大人のほめ言葉 (DOBOOKS)」によれば、人は、「お金」「地位」の報酬に加え、「心の報酬」が不可欠だという。良いこと言いますね。
組織がおかしいなと思う中、部門内のメンバには色々話を聴いたり、背中を押したり、してきたつもり。それが多少は届いているところはあるようで。私ごときでも「心の報酬」に近しい存在になれればと思う。
先日言われたのは、「だからこそ、転職の相談はtakaさんにはできなかった」でした…。「何とかしようとしてくれているのがわかる」からだそうで…
そういう私も「残れ」とは言えない、それほど腐敗していることは自覚している。
サラリーマンの出世街道、上司に媚び売らずに行ける?
さて、この状況に甘んじているということかというと、そうでもないと思う。上司には言うこと言っきたし、反対されようが、自分が良いと思うことをしてきた。
でもね、これは私が今までは気づかぬ隠れた幸運だったのだ。
実は、入社してから上司が変わらなかった。その変わらない上司の方が自由にやらせてくれていたのだ。私が気付かぬうちに私を泳がしてくれていたわけ。
古いドラマですが、「踊る大捜査線」でいうところの、室井さんですね。室井さん役をやってくれていた。
ちなみに、今回のアイキャッチは、踊る大捜査線の室井慎次(柳葉敏郎)から。いまだにお台場関連の駅では、このドラマの音楽流れますし、古いけど名ドラマですね。
さて、そんな上司がついに、エグゼクティブに上がった。経営層というやつだ。 やりたいことやるなら、昇進しろということも身をもって示してくれた。 めでたい。承認も通りやすくはなった。しかし距離が離れてしまった。
そして「代わりの上司」が来たわけ。この点「代わりの上司が来る前にtakaがその地位につければよかった」のですが・・・力及ばず。
新しい上司は、典型的な「法治」「放置」主義者。
直属上司様、承認くださいませ、お願いしますという土下座的なシーン(土下座は言い過ぎですが、何とかお願いします的なシーン)が毎日のように発生する。。。おぃおぃって感じ。もちろん我が社の典型を走る分、わが社での身の振り方には一目置く部分はある。その観点の助言は一級品だ。これは褒めるべきなのかは微妙か。
下々への指摘は厳しい。時に逃げ道のない指摘もある。そんなときは私からもなるべく助け船を出すようにしているし、時には上司にも戦いを挑まざるを得ない。
私のモチベーションは「私を切れるものなら切ってみろ」である。部下含め現場に影響力を持つことを最優先してきた。部下に親身になるのもの現場に寄り添うのも、自分を守るためでもあるわけ。
まあ、今回の指摘をみると、部下から見て、「なぜ、面倒な上司対応に耐えてるのか」というところだろう。言われてみれば、、、そうかも。
いや、どこの会社いっても、これはあるんじゃないの?もちろん、めんどくささの大小はあって、今の会社はあまりにもオカシイ様子なのだが…
今の会社より、他社で力を発揮できそうなのか?
職場では、なるべく、現場に近い立場で居られるように心がけている。最悪、私一人でも現場が回せるくらいの知識・技術・メンタルを持るようにしている。
だから、「私を切れるものなら切ってみろ」 と堂々と思えるし、「切られてもどっかで働けるだろう」とも思っている。
よく転職組や、リストラ組に言われるけど、「takaさんくらいの技術力あればと思う」と羨ましがられる。そこまでヨイショされるほど自分に力はないんだけど。。。でも言ってきてくれる人よりは技術力はあると思う部分は自覚があるから、他で通用するかは別にして多少は技術力はあるんだろうな。だからこそ、、なんで転職しないの?とも思われるのかもしれない。周囲から見ればそこそこの事務処理能力、技術力があるため、他の会社でもイケると思われてるってところか。
本当は欠点だらけなんだけどね。いや欠点だらけだと知ってて敢えて言ってるのかも。そういう空気が読めないとこなんだよね。。。(自覚)
今後どうするの?
さて、ずいぶんと長文を書いたが、元々は「転職しないの?」という問いかけからダラダラと思考を重ねた。まだ、私自身が転職したいのか、転職すべきなのか。答えは出てない。
変化の少ないサラリーマン生活に、刺激が欲しいという側面もあってのことだから、ここは勇気出さないと。
ということで、まずは転職サイトへの登録なぞからしてみた。職務経歴とか色々入力できるよね。まずはそこからの更新だ。転職するかどうかに関わらず、何らかの刺激が得られるだろうから。
ヤバイ。1日終わってた!
こんなことをツラツラと妄想を膨らましていたら、、、ヤバイ、1日終了!!!
物思いにフケるのは、ほどほどに!!! とほほ。。。
コメント